腎臓から尿管、膀胱、尿道迄を尿路と言い、ここに出来た結石が尿路結石です。 出来た場所によって「腎臓結石」「尿管結石」「膀胱結石」「尿道結石」と呼ばれます。
尿管結石を説明する前に尿管の説明をします。
尿管とは、尿路の一部で尿路とは腎臓からはじまり尿管、膀胱、尿道までのことを言う。
このそれぞれの部分の結石のある場所でそれぞれ「尿管結石」「膀胱結石」「尿道結石」「腎臓結石」という。 結石ができる場所によっては、痛む箇所や痛み方が違う。
また、時には自覚症状がなく痛みが全くでないこともあることから、「沈黙の石」といわれることもある。
尿管結石の主な症状
1、血尿がでる。 結石と尿道の粘膜がこすれて出血する。これは非常に微量の血液の場合もあり肉眼ではなく試薬や顕微鏡で 尿潜血を確認することもある。
2、尿がにごる。 結石が原因で感染を起こし尿が濁る。薄くぼんやりと濁る場合は「膿尿」と言って 白血球が混じっていることもある。 腎盂腎炎(じんうえん)になれば熱が出ます。 腎盂腎炎とは、簡単に説明しますと腎盂の細菌による炎症である。
3、発作的な激しい痛みが出る。 痛みの箇所としては、腰痛や腹部やに出ることが多い。 通常腎臓結石だけでは痛みが出ないが、腎臓から尿管に結石が落ちてくることによって 尿管の尿の流れが妨げられ、腎臓が腫れ、強烈な発作的な痛みが生じる。 この激しい痛みは突然出ることがある。 また、これに伴い吐き気やおう吐の症状が出ることがある。
尿管結石の原因 食生活の欧米化や穀物類の摂取量過多などがあるが、最近研究では女性ホルモンや 遺伝子的な要素があることもわかってきた。
尿管結石の予防はできるのか?
採取した結石の成分分析である程度の原因を特定でき、それによって食事療法などが 有効とされている。
また、尿が濃くならないように常に十分な水分量を摂取することも有効とされている。 この方法では、自覚症状がまだ出ていない結石を小さいうちに体外へ尿とともに 排出できることがある。
尿管結石の治療方法は、 痛みを取るだけなら鎮痛剤を使うことである程度の痛みは一時的にとれる。 しかし、根本的な治療法は結石の除去である。 結石の除去は、その大きさによって治療方法が異なる。
直径5ミリ以下の結石の場合 大量の水分を摂取したり点滴の投与により尿量を増やし、尿と一緒に自然に排出 できるように促進する。
これで結石が降りてこない場合や直径5ミリ以上の結石の場合、 結石に体外から衝撃波を当てて大きな結石を小さく砕いて、尿と一緒に自然排出する。 それでもうまく降りてこない場合は、最終手段として手術する。
手術には内視鏡手術と開腹手術があるが体に負担が小さい内視鏡で 取り出せるのなら内視鏡で除去するのが望ましい。
いずれにしても、尿管結石は自覚症状が出た場合にはかなり結石が大きくなっていることもあるので、 できるだけ早く専門医による診察を受けることをお勧めする。